TECHNOLOGY 技術紹介・発明紹介
使用環境を選ばない、ポータブルテラヘルツ分光装置
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- 2021.08.27
光学系の堅牢性やサンプルの自由度が格段に向上したテラヘルツ分光装置です。
小型で測定時間も短く誰でも容易に扱えるため、使用環境を選びません。
背景
テラヘルツ波は、周波数が約0.1~10THzの電磁波で、近年、様々な分野で期待されています。しかし、装置は非常に大型かつ高価であり、測定には光学調整の特別なスキルが必要であることから、誰もが手軽に測定できるものではなく、それが普及の妨げとなっていました。
技術の内容:光学調整が不要、小型ポータブルテラヘルツ分光装置
【発明者の従来技術】
発明者は、二つの半導体レーザー を使って光学系を組むことにより装置の小型化に成功しています。
【本発明の装置】
本発明の装置は光学系に「ある機構」を取り入れることによりさらなる小型化を実現しました。
本機構を取り入れることにより、レーザ光の偏光をハーフミラー上で重ね合わせるという光学調整が不要となり、再現性が高くなります。
また、差周波混合法を採用しているため、フーリエ変換等の計算が不要でありリアルタイム計測が可能です。
技術の利点:測定効率は従来装置と同等以上を実現
本発明の装置で、OHP シートの7.03 THz における吸収係数を測定した結果です。横軸はOHPシートの厚さ、縦軸は検出された電磁波強度を表しています。データを解析した結果、約30 cm-1 の吸収係数を求めることができており、分光装置として十分な機能を発揮していることがわかります。
産業応用のイメージ:呼気、大気、溶液中のウイルスや有機化合物の検知が可能
本発明の装置は小型で測定時間も短く誰でも容易に扱えるため使用環境を選ばず、呼気中のウイルス検出や、大気中、特に災害現場などにおける有毒ガス検出の適用が可能であり、様々な検出装置への応用が期待できます。
特許出願
あり
希望の連携 | 実施許諾契約、オプション契約(技術検討のためのF/S) |
担当アソシエイト | 島田 かおり |