TECHNOLOGY 技術紹介・発明紹介
化粧品・農薬・医薬等の液垂れを抑制する新規低分子ゲル化剤及び大量合成を可能とする簡便な合成方法
- ライフサイエンス
- 有機材料
- 2025.03.11
背景
液体を固める材料としてゲル化剤があり、ゲル化剤には大きく分けて高分子ゲル化剤、低分子ゲル化剤がある。高分子ゲル化剤は、比較的優れたゲル化性能を示すが皮膚に残留しべたつきの原因となることが課題であった。そこで低分子ゲル化剤の活用を目指し研究開発されてきたが、複雑な構造で大量合成が困難等の課題があった。そのため、安価に大量合成でき、水を含む組成物の粘度を低濃度で高められ、かつ安全性が高い優れたゲル化剤が求められる。
技術の内容:大量合成が可能な 新規の低分子ゲル化剤
・分子量400程度の低分子ハイドロゲル化剤
(分子がナノファイバー状に自己組織化し水をゲル化)
・簡便に合成できるため、工業的には安価に大量製造可能
・生分解性、低分子ゲル特有のチキソトロピー性を有する
・以下図の通り、細胞毒性が低い

技術の利点:低濃度でゲル化可能、温度可逆的、低毒性の低分子ゲル化剤
・ pH 7.4の水溶液をゲル化させる場合、本発明のゲル化剤①をわずか0.06wt%、ゲル化剤②は0.3wt%、
添加するだけでゲル化が可能
・本ゲル化剤は、酸性~アルカリ性でゲル化が可能
・細胞毒性が低い
・細孔や隙間への浸透性が高い

産業応用のイメージ:化粧品・農薬・医薬等の液体粘度を高める技術分野に幅広く応用
・化粧品:化粧料を皮膚上に伸ばす際はべたつきなく広がり、容器から化粧料を出した後は液垂れを防止できる
・農 薬:農薬を散布する際には広く広がり、散布後には、対象作物にできるだけ保持できる
・医薬部外品:服用しやすい粘度の液状医薬に調整できる
・その他:細胞培養足場材料、エンジンのラジエーター液、機械的強度の弱いゲルやサブmmスケールの細孔内へのゲル充填、
等に幅広い技術分野で利用できる

特許出願
あり
希望の連携 | 実施許諾契約、共同研究契約、技術検討のための契約 など |
担当アソシエイト | 松村 優香 |