TECHNOLOGY 技術紹介・発明紹介
半永久的に変色・退色しない構造色カラーインク材料
- 金属材・無機材料
- 2021.11.01
従来とは異なる発色原理を利用した耐環境性に優れる構造色材料です。
さらに、角度に依存しない発色、大面積への印刷・塗布を実現しました。
背景
従来の顔料や染料は、発色する色素原子が徐々に分解され、変色・退色することが実情でした。また、色素を用いない構造色の発色手法が注目されていますが、発色の角度依存性が高いことや、高解像度が実現できないことが課題となっていました。
技術の内容:シリコンナノ粒子作製技術が実現した耐環境性構造色材料
本発明に使用する原料は、環境にやさしく、化学的に安定な結晶シリコンナノ粒子です。本発明者らは、真球に近い形状のシリコンナノ粒子(下図)を作製する技術をもっています。
これらの粒子を粒径ごとに分離し、個々が発色する原理を利用して、構造色カラーインク材料を開発しました。
技術の利点:耐環境性に加え、角度に依存しない構造色を実現
通常の構造色とは異なり、個々のナノ粒子が発色源となる為、半永久的に変色・退色しないことに加え、観測角度に依存せず、高解像度であることが特徴です。
また、シリコンナノ粒子が、分散溶液(インク)を形成する為、大面積へ印刷・塗布することができます。
産業応用のイメージ:カラーインク用途から化粧品・バイオ材料まで、幅広く応用可能
本発明の材料は、塗料・顔料のようなカラーインク用途から、印刷・化粧品・バイオ材料用途まで、幅広い用途での応用が可能です。また、高解像度である特徴を生かし、マイクロディスプレイへの応用も期待できます。
特許出願
あり
希望の連携 | 実施許諾契約、オプション契約(技術検討のためのF/S) |
担当アソシエイト | 小林 志帆 |