TECHNOLOGY 技術紹介・発明紹介
循環型社会の実現に貢献する解体性接着技術
- 有機材料
- 金属材・無機材料
- 2021.07.26
高い接着力を保持し、接着された部分を簡単に解体できる接着技術です。
製品のリユースや、材料のリサイクル等の循環型社会の実現に貢献します。
背景
接着剤を使うと、高分子などの異種材料を簡単に接着できるという利点がありますが、接着した材料を分離し、リサイクルすることが困難になるという課題がありました。
発明者らは、一度接着した材料に外部から特別な刺激を与えることで、簡単に解体できる解体性接着技術を見出しました。
技術の内容:製品の部品分解・リサイクルを実現する接着剤
透明なイオン性液体を配合した接着剤(下図の緑部分)を用いて接着された材料に、日常生活では起こりえない特別な刺激を与えることで、接着力が低下し、簡単に解体することが出来ます。
技術の利点:製品の外観を損なわず、接着力を維持
①従来のナノフェライト粒子を配合した接着剤と比較すると、本接着剤は透明性があるため、製品の外観を守ることが出来ます。
②各種イオン液体濃度で作製した接着剤にて接着した材料を用い、刺激を与える前後で、引張力とせん断力(組み合わせ応力度) の試験をしたところ、右図のように、濃度および刺激にかかわらず、一定の接着力を維持することを示しました。
産業応用のイメージ:幅広い部品や材料の接着解体技術として適用可能
本接着技術は、接着する部品や材料が限定されず、セラミック・樹脂・木材などに幅広く適用が可能です。また、リサイクルが求められている自動車分野、電子部品分野、建築分野への適用に限らず、製品付加価値の向上といった新たな用途への発展の可能性があります。
特許出願
あり
希望の連携 | 実施許諾契約、オプション契約(技術検討のためのF/S) |
担当アソシエイト | 松村 優香 |