TECHNOLOGY 技術紹介・発明紹介
膜の目詰まり問題を解決!新しい可視光応答型のナノシート積層型光触媒膜
- 環境・エネルギー
- 2022.10.19
従来の積層膜とは異なる構造を有した、透水性・光触媒活性に優れた光触媒膜です。
紫外光・可視光照射により、膜の目詰まりで低下した透水性能の回復が可能です。
背景
様々な要因により世界各地で水不足が深刻化する中、浄水分野において、安定して良質な水が得られる“膜ろ過法”が注目されています。しかし、微細孔を有する膜で分離処理するため、処理水中に含まれる溶質が膜に詰まることによる透水性能の低下(ファウリング)、膜の洗浄や薬液処理による膜構造の変化などの課題がありました。
技術の内容:高い光触媒活性をもつ新規ナノシート積層型光触媒膜
本発明のナノろ過膜の構造(図1):複合体層を支持する基材上に、可視光応答性を有する“ナノシートA”を、分離性能に優れる“ナノシートB”に複合化した、ナノシート積層型光触媒膜です。
2種類のナノシートの複合比率を最適化し、優れた透水性・分離性能に加え、ファウリング耐性と、高い光触媒活性(図2)を有する膜を開発しました。
技術の利点:ファウリング耐性付与に加え、紫外光・可視光領域で利用可能
2種類のナノシートを積層・複合化することで、ファイリングによって低下した透過性能を紫外光・可視光照射により回復させることができます。
また、有機色素の光分解、雑菌の生存抑制などの効果があります。
産業応用のイメージ:産業応用のイメージ 水処理膜や分離膜、新規な反応器など幅広い応用が可能
本発明の膜は、浄水処理、海水淡水化を行うための水処理膜や分離膜への適用など、幅広い水処理膜に応用が可能です。
特許出願
あり
希望の連携 | 実施許諾契約、オプション契約(技術検討のための契約)、共同研究 等 |
担当アソシエイト | 松村 優香 |